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「ところで……この村は何者かに襲われたことはあるか?」

「……数えるのもうんざりする程じゃ。よく全滅しなかったと思う。この貧しい村に、一体何を狙って襲ってくるのか」

老人の答えにバーンハルトは眉を寄せる。

「それが何か?」

バーンハルトの雰囲気の変化を悟ったのか、村長は尋ねた。

「すぐにワクチンは届くはずだから、安心して待っていろ」

それだけを言ってバーンハルトは後ろを向く。

扉を開き、歩き出そうとすると、ドン、と何かがぶつかった。視線を足元に移す。そこには年端もいかぬ少女がいた。

少女はペタンと地べたに座り込んでいる。

その瞳が涙ぐんでいた。バーンハルトは少女を無言で見下ろす。

彼は子どもが苦手だ。好かれるような事にでもなると精神的な疲労は避けれらない。少女はバーンハルトをじっ、と見上げる。

視線が交差すること数秒。

「来るでない!」

入り口から老村長の声が聞こえてきた。

好奇と不安に満ちた瞳が一瞬だが村長に注がれる。