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気配を感じる。村人から向けられる憎悪と恐怖ではない。
後ろを振り返り、バーンハルトは苦虫を噛み潰したような表情でそれを見た。少し離れた距離から例の少女がこちらを見ている。
近寄りたいが、近寄るのは怖い。だが興味はある。少女はそんな表情をバーンハルトに向けていた。
このまま全速で走り去って撒こうか。思考するバーンハルトだが、脳裏にどこまでも追いかけて来る少女の姿が浮かんだ。
深く吐息を吐き出し、少女に向かって歩き出す。ざっ、ざっ、と砂を踏み締めながら歩く。少女を見下ろす形でバーンハルトは話し掛ける。
「……何か用でもあるのか?」
少女は意を決するように息を吸い込む。バーンハルトの大きな手は、少女の小さな手によって漆黒のマントの上からつかまれる。
怪訝な表情を向けるバーンハルトに対し、少女は顔を赤くして引っ張ろうとしている。その少女の様がどことなくおかしく彼には感じられた。
「……どこかに連れて行きたいのか?」
声に少女の顔が上げられる。
痩せ細った顔を、ぱあっ、と輝かせてこくこくと頷く。