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その後、少女を背負ってバーンハルトが向かったのはボロボロのテントだった。所々布が破れており、テントの骨組みが見えている。バーンハルトの目の前にいるのは薄っぺらい布を被って寝込んでいる一人の少年だ。額に汗を浮かべ、苦しそうに呼吸をしている。少年の容態を観察しながら彼の体に手を当てる。いくつかの質問を母親にしたあと、漆黒の髪をかきあげる。

「大丈夫だ。単なる風邪だ」

心配そうな視線を送る母親を安心させる為に言葉を掛ける。少女も不安が弾け飛んだのか周りを走り回っている。それをしかめっ面でバーンハルトは見ている。

「申し訳ございません」

「……あんたの娘にはきつく言ってやることだ。クリムゾンの人間など家に連れてくるな、と」

バーンハルトは更に問い掛ける。

「……娘はともかくとして、だ……あんたが俺を家に入れるのは、どうかしていないか?」

彼女はゆっくりと首を横に振る。

「余裕が、なかっただけです」